インモード FX の電気穿孔法の原理と脂肪破壊効果を最新の臨床データで分析します。Forma、Morpheus8 との違い、現実的な期待値、副作用まで整理しました。
「二重あごが気になってインモードを調べてるんだけど、脂肪を永久的に破壊できるって本当?」――皮膚科のカウンセリングを控えて、こんな悩みを一度は抱えたことがあるかもしれません。
インモード FX は高電圧電気パルス(電気穿孔法)で脂肪細胞を破壊する非手術施術です。 臨床研究では 3 か月後に平均 39.6% の脂肪層厚の減少が報告されていますが、肥満治療ではなく局所的な脂肪減少施術であり、効果には個人差があります。この記事ではインモードのラインナップ(FX、Forma、Morpheus8)の原理と臨床データ、現実的な期待値を一つずつ解説していきます。
皮膚科や形成外科の施術を検索していると、「インモード」という名前を本当によく目にします。二重あご、フェイスラインのリフティング、頬の脂肪除去まで――どんな悩みでもインモードがおすすめ施術として登場する印象です。
韓国でインモードがこれほど人気がある理由があります。第一に、切開や麻酔なしで脂肪減少と肌の引き締めを同時に期待できるという点です。第二に、施術時間が 30〜40 分程度と短く、日常復帰が早いこと。第三に、米国 FDA と韓国食薬処(KFDA)の両方から承認を受けた機器 であるという点が信頼を後押ししています。
でもここで大切なのは、「脂肪の永久破壊」というフレーズが実際にどのレベルの効果を意味するのかです。誰に適した施術なのかも、もう少し細かく見ていく必要があります。
「インモードを受けに来ました」と言うと、皮膚科で「どのハンドピースにしますか?」と聞かれることがあります。インモードは単一の機器ではなく、複数のハンドピース(施術チップ)を組み合わせて使うプラットフォームです。各ハンドピースは作用原理と目的が異なります。
FX のコア技術は不可逆的電気穿孔法(Irreversible Electroporation、IRE)です。 細胞膜に高電圧電気パルスを加えて微細な穴を開け、脂肪細胞を破壊する原理です。もともと腫瘍治療の分野で開発された技術です。
FX の施術は 3 段階で進みます。
破壊された脂肪細胞の残骸は免疫細胞(マクロファージ)によって数週間かけて自然に除去されます。単に脂肪細胞のサイズを小さくするのではなく、脂肪細胞の数自体を減らすメカニズム である点で「永久破壊」という表現が使われています。
Forma は非侵襲的な高周波(RF)ハンドピースで、肌表面と真皮層に熱エネルギーを伝達します。皮膚温度を 43 度以上に維持することで、既存のコラーゲン線維が収縮し、同時に新しいコラーゲン生成(neocollagenesis)が促されます。
Forma は脂肪を破壊しません。目的は肌の弾力改善と維持です。インモードの赤外線センサーが 1 秒に 1,000 回表皮温度をチェックするため火傷のリスクが低く、施術中は温熱マッサージを受けているような感覚が特徴です。
Morpheus8 はフラクショナル RF(Fractional RF)マイクロニードリング装置です。 微細な針(12 ピン、24 ピン、40 ピン)が皮膚の 0.5〜8mm の深さまで刺入した後、高周波エネルギーを照射します。侵襲的であるため Forma よりも強力なコラーゲンリモデリングが可能で、ニキビ跡、毛穴、肌のたるみに効果的です。
組織学的分析の結果、Morpheus8 施術後にコラーゲンが最大 25%、エラスチンが 33.3% 増加したと報告されています。[1]
| 区分 | FX | Forma | Morpheus8 |
|------|-----|-------|-----------||
| コア原理 | 電気穿孔法(IRE)+ RF | 非侵襲 RF | フラクショナル RF マイクロニードル |
| 主な目的 | 脂肪破壊 | 肌の引き締め | コラーゲンリモデリング |
| 侵襲性 | 非侵襲 | 非侵襲 | 低侵襲 |
| ダウンタイム | あざ 1〜2 週間 | ほぼなし | 2〜5 日 |
| 推奨回数 | 3〜5 回 | 6〜8 回 | 1〜3 回 |
| 効果の発現 | 2〜3 か月 | 4〜6 週間 | 約 3 か月 |
これだけ知っておくだけでもカウンセリングで役立ちます。
参考文献
肌の悩みや病院についての質問は何でも。
インモード FX の効果を評価するには、メーカーのマーケティングではなく査読論文のデータを見ることが大切です。
2014 年に発表された研究結果を見ると[2]、BodyFX で腹部を施術した患者の超音波測定の結果、3 か月後に平均 39.6% の脂肪層厚の減少 が認められました。同じ研究で腹囲は平均 2.3cm 減少し、1 か月後に約 202cc、3 か月後に 428.5cc の腹部体積減少が確認されました。
組織学的検査では、高電圧パルスに曝露された脂肪細胞の約 20% がアポトーシス(細胞死)の兆候を示しました。つまり電気パルスを受けた脂肪細胞の 5 個に 1 個は実際に死滅するということです。
電子顕微鏡(SEM)観察の結果、不可逆的電気穿孔による永久的な細胞破壊が確認され、細胞死のメカニズムとしてパイロトーシス(pyroptosis)が主な機序として示唆されました。[2]
別の後ろ向き分析でも[3]、3 か月の追跡観察で統計的に有意な腹囲減少(P < 0.05)が報告され、コラーゲン合成の増加と真皮の再構造化も伴っていたことが示されました。
これらの結果は心強いものですが、いくつかの文脈を合わせて見る必要があります。
「脂肪の永久破壊」という言葉から「1 回受ければ二重あごは永遠にできないの?」と期待するかもしれませんが、現実は少し異なります。
一度死滅した脂肪細胞は再生しないというのが現在の医学界の一般的な見解です。しかしそれが「永久的な効果」を保証するわけではありません。
成人の脂肪細胞数は概ね一定に維持されます。FX 施術で一部の脂肪細胞が破壊されると、その部位の脂肪細胞数が減り、理論的には同じ部位に脂肪が再蓄積されにくくなります。
しかし、ここに重要な前提条件があります。
第一に、残った脂肪細胞は依然として大きくなり得ます。 体重が増えると、破壊されなかった残りの脂肪細胞が肥大化し、効果が薄れる可能性があります。
第二に、施術部位ではない他の場所に脂肪が蓄積される可能性があります。 脂肪吸引後にも観察される現象で、体全体のエネルギーバランスが変わらなければ脂肪は別の部位に移行し得ます。
第三に、1 回の施術で破壊される脂肪細胞の割合は約 20〜30% です。 「永久破壊」という表現が全脂肪の完全除去を意味するわけではありません。これが 3 回以上の繰り返し施術が推奨される理由です。
FX 施術は非手術ですが、エネルギーを用いた施術である以上、副作用は存在します。ただし大部分は一時的であり、深刻な合併症の頻度は低いです。
FX 施術中には吸引圧と電気パルスによるチクチクとした感覚があります。痛みの程度には個人差がありますが、ハイフ(ウルセラ、ウルトラフォーマー 3)の施術と比べると相対的に低い方です。大部分は麻酔クリームを塗布してから施術を行い、施術中にエネルギーの強度を調整できます。
臨床研究で報告された副作用は大部分が軽微で一時的であり、深刻な合併症は報告されていません。
インモード FX を検討しているなら、まず確認すべきは施術の対象範囲です。
大部分の皮膚科では 3〜4 週間隔で最低 3 回、理想的には 5 回の施術 を推奨しています。脂肪細胞が死滅した後、免疫細胞によって除去されるまでに数週間かかるため、効果が本格的に現れるのは最後の施術から 2〜3 か月後です。
1 回の施術だけで劇的な変化を期待するのは難しいです。微細な肌のキメの改善や軽度のむくみ緩和程度は感じられるかもしれませんが、はっきりとした輪郭の変化には繰り返し施術が必須です。
韓国の多くの皮膚科では FX と Forma を同じセッションで併用するプロトコルを提供しています。FX で脂肪を減らし、Forma で肌をタイトに引き締める組み合わせです。特に 30〜40 代でこの組み合わせの満足度が高いと報告されています。
インモードは非手術施術ですが、エネルギーの強度設定とハンドピースの動かし方によって結果が変わり得ます。皮膚科専門医または形成外科専門医が直接施術するか、施術経験が十分かを必ず確認しましょう。
次回のカウンセリングの際にぜひこの質問をしてみてください:「先生が直接施術されますか?FX の経験はどのくらいですか?」
価格の目安(2026 年基準、韓国では)
- インモード FX 1 回:20〜50 万ウォン(約 2〜5 万円)台(部位・クリニックにより異なる)
- 3〜5 回パッケージ割引が一般的
- FX + Forma 併用の場合は追加費用あり
- 自由診療のためクリニックによって異なります
A:1 回だけではっきりとした変化を期待するのは難しいです。 1 回あたり約 20〜30% の脂肪細胞が影響を受け、意味のある変化のためには 3〜5 回の繰り返しが推奨されます。効果は最後の施術から 2〜3 か月かけて現れます。
A:完全除去は非現実的な期待です。 FX は脂肪層の一部を減らす施術であり、二重あごの原因は脂肪だけでなく肌のたるみや骨格構造の場合もあります。フェイスラインがやや引き締まる程度の改善を期待するのが現実的です。
A:あざはほぼすべての方に見られ、通常 1〜2 週間で消えます。 施術直後の 2〜3 日が最も濃く、その後徐々に薄くなります。大切な予定がある場合は、2 週間前には施術を終えておくのがおすすめです。
A:脂肪減少量だけで言えば脂肪吸引の方が効果的です。 脂肪吸引は 1 回で数百〜数千 cc を物理的に除去できます。FX は非手術という利点と短いダウンタイムがありますが、効果は緩やかな方です。手術に抵抗がある場合に FX が代替になり得ます。
A:破壊された脂肪細胞が再生することはありませんが、残った細胞は大きくなり得ます。 大幅に体重が増えると、施術部位の残りの脂肪細胞が肥大化したり、他の部位に脂肪が蓄積されたりする可能性があります。施術効果を維持するには体重管理が必須です。
A:Forma は脂肪を破壊する施術ではありません。 目的はコラーゲンリモデリングによる肌の弾力改善です。フェイスラインがやや引き上がるリフティング効果はあり得ますが、脂肪自体を減らすには FX が必要です。
A:目的が異なる施術なので直接比較は難しいです。 ウルセラ(ハイフ)は超音波で SMAS 層に作用しリフティング効果を生み出し、FX は電気穿孔法で脂肪細胞を破壊します。たるみが気になるならウルセラ、脂肪が気になるならインモード FX が適しています。どちらも気になるなら、FX + Forma の組み合わせが一つの選択肢です。
インモード FX は科学的に妥当な原理を持つ施術ですが、「永久破壊」という言葉が与える期待と現実の間にはギャップがあります。
ポイント 3 つ:
二重あごの施術を検討中なら、この記事を保存しておきましょう。カウンセリング前に一度読んでおくと役に立つはずです。
本コンテンツは 2026 年 3 月時点の最新研究を基に作成されており、特定の施術を推奨または反対するものではありません。個人の健康状態に応じて専門医にご相談ください。